今年の鍋パーティーは石狩鍋にしようと思ってるの。
でも、石狩鍋って聞いたことはあるけど、よく知らないのよね。
9月15日は石狩で鮭が捕れる時季で、９と１５を「くいごろ」と読む語呂合わせなどから石狩鍋記念日なんだって。
北海道の鮭を使った鍋料理っていうのは分かるんだけど、具体的にどんな具材が入るのかしら？
いざ作ろうと思っても、材料も作り方も分からないと困っちゃうわ。
そこで、今回は石狩鍋の基本から、誰でも簡単に作れるレシピまで、丸ごと解説します！
- 石狩鍋の定番具材リスト
- 味付けの決め手となる調味料の配合
- キャベツの切り方など下ごしらえのポイント
石狩鍋とは？どういう経緯で生まれたの？
石狩鍋は、北海道の郷土料理として知られる鍋料理です。鮭を中心とした具材を味噌ベースのスープで煮込むのが特徴です。
その歴史は古く、石狩地方の漁師たちの間で生まれた料理だと言われています。
石狩鍋の誕生の背景には、以下のような事情があったようです。
石狩の地で生まれたこの料理は、今や北海道を代表する鍋料理として親しまれています。
北海道石狩地方で鮭を大量に獲れた
石狩鍋が生まれたのは、北海道の日本海に面した石狩地方です。この地域は豊富な鮭の漁場として知られていました。
秋になると、産卵のために川を上る鮭が大量に獲れたといいます。
- 石狩川や尻別川などの大河が流れ込む
- 9月から11月が漁のシーズン
- 網や定置網で一度に大量の鮭が獲れる
鮭は川を上るために沿岸部に集まるため、大量に捕獲することができました。
しかし、その分、鮭の消費や保存が大きな課題だったようです。獲れすぎた鮭を無駄なく食べつくすために、様々な料理が考え出されました。
石狩鍋の原型もそうした知恵の中から生まれたと考えられています。豊かな自然の恵みを生かすために、先人たちは工夫を凝らしたのでしょう。
保存食にするために鮭を塩漬けに
大量に獲れた鮭は、その場ですぐに食べきれるものではありません。保存のための知恵が必要でした。
そこで考え出されたのが、鮭の塩漬けです。
- 鮭を3枚におろし、塩をまぶす
- 重石をして数日間寝かせる
- 水分を絞り、天日干しにする
塩漬けにすることで、鮭を長期間保存できるようになりました。
塩は防腐効果が高く、天日干しで水分を飛ばすことで、さらに日持ちが良くなります。こうして作られた塩引き鮭は、冬の間の貴重なタンパク源となったのです。
石狩鍋は、この塩引き鮭を使った料理の一つとして発展したと考えられています。保存食としての知恵が、新たな料理を生み出すきっかけになったのかもしれません。
できた石狩汁を鍋料理にアレンジ
石狩鍋の原型となったのは、石狩地方に古くから伝わる「石狩汁」だと言われています。鮭の切り身やアラを味噌で味付けした汁物です。
この石狩汁を、鍋料理としてアレンジしたのが石狩鍋の始まりだったようです。
- 鍋料理として具材を増やした
- 味噌味のスープはそのまま継承
- 季節の野菜を加えてボリュームアップ
石狩汁が日常的な汁物だとすれば、石狩鍋は鮭の季節ならではの贅沢な鍋料理と言えるかもしれません。
味噌味の濃厚なスープに、鮭の旨みが溶け込んだ石狩鍋。野菜もたっぷり摂れる一品は、寒い冬に身も心も温めてくれます。
古くから伝わる料理を大切にしながら、時代に合わせてアレンジを加えていく。石狩鍋には、そんな北海道の食文化の歴史が詰まっているのかもしれません。
石狩鍋の定番具材とは？
石狩鍋には、欠かせない定番の具材があります。その素材の旨みが溶け込むことで、奥深い味わいが生まれるのです。
ここでは、石狩鍋を作る際の定番具材をご紹介します。
シンプルな組み合わせながら、素材の持ち味を生かした具材選びがポイントです。
これらの具材を揃えれば、本格的な石狩鍋が作れます。
鮭の切り身
何と言っても、石狩鍋の主役は鮭です。秋鮭の切り身を使うのが一般的ですが、塩鮭でもOKです。
鮭は臭みが出やすい魚なので、下処理が大切です。
- 鮭の皮と骨を取り除く
- 臭みのある血合い部分を取る
- 一口大に切っておく
下処理をしっかりとすることで、上品な味わいの石狩鍋に仕上がります。
また、鮭は火の通りが早いので、鍋の最後に入れるのがおすすめです。煮込み過ぎると身が硬くなるので注意が必要ですね。
鮭の切り身から出る旨みと油が、石狩鍋のコクのある味わいを作り出します。北海道の秋の味覚を味わう醍醐味とも言えるでしょう。
キャベツ
石狩鍋のボリュームを出す具材の代表格と言えば、キャベツです。甘みが増す秋から冬のキャベツがおすすめです。
キャベツは石狩鍋に欠かせない野菜の一つです。
- 一口大に切っておく
- 鍋に入れてざっくり火を通す
- シャキシャキとした食感を残す
キャベツの甘みとシャキシャキ感が、石狩鍋の食感のアクセントになります。
火が通ったキャベツは、味噌スープをたっぷりと吸って、味わい深い一品になります。鮭の旨みとキャベツの甘みが絶妙にマッチするのです。
たっぷりのキャベツを入れることで、お腹いっぱい満足できる石狩鍋になります。野菜不足が気になる方にもおすすめの具材ですね。
長ネギ
石狩鍋のもう一つの定番具材は、長ネギです。ネギの清涼感が、味噌スープによく合います。
鍋料理に欠かせないネギは、石狩鍋でも大活躍します。
- 斜め切りにして食べやすく
- 火が通りやすいので早めに入れる
- 甘みが出てトロッとした食感に
ネギの風味が、味噌スープの重みをちょうどよく和らげてくれます。
火の通ったネギは、とろりとした柔らかさが魅力です。ネギ特有の甘みと香りが、石狩鍋の味わいに奥行きを与えます。
寒い季節にぴったりのネギは、体を内側から温めてくれる効果も期待できます。風邪予防にもおすすめの具材ですね。
椎茸
椎茸は、石狩鍋に欠かせないきのこ類の代表です。肉厚の椎茸を選ぶのがおすすめです。
椎茸の存在感は、石狩鍋の味わいを格上げしてくれます。
- 石づきを取り、半分に切る
- 火が通りにくいので早めに入れる
- 肉厚の身がスープを吸って美味しい
椎茸のコリコリとした歯応えが、石狩鍋の食感に変化をつけてくれます。
旨み成分が豊富な椎茸は、火が通るとスープの味をたっぷりと吸い込みます。一口食べれば、味噌と椎茸の旨みが口いっぱいに広がるはずです。
低カロリーで食物繊維も豊富な椎茸は、ヘルシー志向の方にもおすすめの具材です。石狩鍋に椎茸を加えて、栄養価と美味しさをアップさせましょう。
豆腐
石狩鍋のやさしい味わいを支える具材と言えば、豆腐です。北海道の地元産の豆腐を使うのがおすすめです。
滑らかな口当たりの豆腐は、石狩鍋に欠かせない存在です。
- 大きめの一口サイズに切る
- 煮崩れしやすいので最後に入れる
- スープを吸って、より一層美味しく
豆腐は、味噌スープを吸収するスポンジのような役割を果たします。
ひと煮立ちさせるだけで、豆腐にスープの旨みがしみ込みます。鮭や野菜の旨みを吸った豆腐は、まさに至福の一品と言えるでしょう。
ヘルシーでタンパク質も豊富な豆腐は、栄養面でも石狩鍋に欠かせない具材です。味噌味と相性抜群の豆腐を加えて、バランスの取れた石狩鍋を完成させましょう。
簡単な石狩鍋の作り方
定番の具材が揃ったら、いよいよ石狩鍋を作りましょう。作り方は意外と簡単です。
ここでは、初心者でも失敗しない石狩鍋の作り方をご紹介します。
鍋一つで作れるので、洗い物も少なくて済むのが嬉しいポイントです。
下ごしらえさえしっかりしておけば、あとは火加減を調整するだけです。
具材を切って鍋に入れる
石狩鍋づくりの第一歩は、具材の下ごしらえです。食べやすい大きさに切ることを心がけましょう。
切った具材は、鍋に красиво盛り付けるのがおすすめです。
- キャベツ → 一口大に切る
- 長ネギ → 斜め切り
- 椎茸 → 石づきを取り、半分に切る
- 豆腐 → 大きめの一口サイズ
- 鮭 → 一口大に切り、最後に加える
彩りも大切なので、具材の色合いを考えながら盛り付けると良いでしょう。
具材はなるべく種類ごとにまとめて、鍋の中央に寄せると美しく仕上がります。鮭は他の具材より火の通りが早いので、最後に加えるのがポイントです。
野菜から先に入れて、最後に鮭を加えるのが石狩鍋の定番の作り方です。盛り付けのコツを押さえて、見た目も美しい石狩鍋を作りましょう。
味噌ベースのスープを加える
具材を鍋に盛り付けたら、次はスープを加えます。石狩鍋の味の決め手となるのが、味噌ベースのスープです。
味噌は濃いめに溶いておくのがおすすめです。
- 味噌 大さじ2〜3
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 出し汁 4カップ
味噌は赤味噌や白味噌、合わせ味噌など好みで選んでOKです。
味噌を溶く際は、最初は少量の出し汁で溶いて、徐々に全体に混ぜ合わせるのがコツです。味噌が溶けにくい場合は、裏ごしして滑らかにするのも良いでしょう。
酒やみりんを加えることで、味噌の風味がまろやかになります。味噌と出し汁の旨みが凝縮された、コクのあるスープが完成します。
火にかけて煮込む
具材とスープの準備ができたら、いよいよ火にかけましょう。弱火でコトコトと煮込むのがおすすめです。
火加減のポイントは以下の通りです。
- 最初は強火で煮立たせる
- 煮立ったらアクを取り、弱火にする
- 具材に火が通るまで約15分煮込む
- 最後に鮭を加えてサッと火を通す
煮立った時に出てくるアクは、丁寧に取り除くのがポイントです。
弱火でじっくりと煮込むことで、具材の旨みがスープに溶け出します。途中で味見をしながら、味噌や酒の量を調整するのも良いでしょう。
最後に鮭を加えたら、さっと火を通して出来上がりです。鮭に火が通りすぎると身が硬くなるので、様子を見ながら火加減を調整しましょう。アツアツの石狩鍋を、大根おろしを添えていただきます。
石狩鍋のアレンジレシピ3選
定番の石狩鍋も美味しいですが、アレンジを加えるとさらに楽しめます。味や具材を変えるだけで、いつもと違った石狩鍋が完成します。
ここでは、石狩鍋のアレンジレシピを3つご紹介します。
定番のレシピに飽きたら、ぜひ試してみてください。
アイデア次第で、石狩鍋はさらに奥深い料理に変身します。
きのこたっぷり石狩鍋
秋の味覚と言えばきのこ。石狩鍋にもたっぷりのきのこを加えて、秋の味覚を満喫しましょう。
椎茸以外にも、以下のようなきのこがおすすめです。
- エリンギ → コリコリの食感が楽しい
- マイタケ → 香りが良く、食べ応えも抜群
- エノキ → シャキシャキとした歯ごたえ
きのこは種類によって食感が異なるので、いくつか組み合わせるのがおすすめです。
きのこの旨みが溶け込んだスープは、コクと深みがあります。きのこ好きにはたまらない、贅沢な石狩鍋の完成です。
きのこは低カロリーで食物繊維が豊富。ヘルシーな石狩鍋を楽しみたい方は、ぜひきのこをたっぷり加えてみてください。
締めはパスタやラーメンで楽しむ
石狩鍋の醍醐味は、何と言っても最後の〆。スープが染み込んだご飯は絶品ですが、パスタやラーメンで楽しむのもおすすめです。
〆の具材は、以下のようなものがおすすめです。
- パスタ → 太めのもちもち食感が◎
- ラーメン → 中華麺やうどんもOK
- 雑炊 → 残ったご飯でお手軽に
鮭と味噌の旨みが染み込んだスープは、パスタとの相性も抜群です。
麺類を加える際は、具材を取り出してからが良いでしょう。麺が伸びないよう、火加減には注意が必要です。
〆のバリエーションを増やせば、石狩鍋がさらに楽しくなります。スープが余ったら、ぜひパスタやラーメンで美味しく仕上げてみてください。
キムチの石狩鍋
石狩鍋の具材は、基本味噌味なので同じ発酵食品のキムチを入れた、ピリ辛の石狩鍋もおすすめです。
キムチの組み合わせは、以下のような特徴があります。
- キムチ → ピリ辛でスープが深みのある味わいに
- 味噌 → コチュジャンを加えて、辛味をプラス
コクのあるスープに、キムチの辛味がアクセントになります。
味噌にコチュジャンを加えることで、辛味がさらにアップ。ピリ辛好きにはたまらない、大人の石狩鍋の完成です。
寒い日には、体の芯から温まるピリ辛石狩鍋がおすすめ。辛さを調整すれば、子供でも楽しめる味わいになります。いつもと違う石狩鍋を楽しみたい時は、ぜひ試してみてください。
定番の味も良いけど、アレンジするとさらに美味しくなるのね！今度挑戦してみようっと。
石狩鍋とは？具材は何を使うの？作り方と簡単なレシピをご紹介
今回は、北海道の郷土料理「石狩鍋」について、その誕生の経緯や定番の具材、基本の作り方からアレンジレシピまで詳しく解説しました。
- 石狩地方で鮭を大量に獲れたのがきっかけで誕生
- 鮭と野菜を味噌ベースのスープで煮込むのが基本
- きのこや麺、キムチなどを加えたアレンジも人気
石狩鍋は鮭と味噌の相性が抜群なんだね。寒い日に食べたら体の芯から温まりそう。
石狩鍋の魅力が伝わったら、ぜひ家族や友人と一緒に作って、あったかい鍋パーティーを楽しんでみてくださいね。きっと心も体も満たされますよ。
